新着情報

2026.03.31

No.24 塗料の成分はどんなもの

塗料は多くの成分で構成されていますが、大別したら意外と簡単かもしれません。
水系塗料や溶剤系塗料もおおむね次のようになります。

  1. 塗膜主成分
  2. 溶媒
  3. 添加剤
  4. 顔料
1~3までは透明な塗料です。 それに4の顔料を加えたら不透明な塗料になります。一般的に、透明な塗料はクリアと呼ばれ、色がついた塗料はエナメルと呼ばれています。顔料をペースト状(塗料と混ざりやすくした状態)にしたものを塗料業界で 「種ペン」と呼びます。「Aと云うクリアー(ベース)に Bと云う種ペンを混ぜて、見本板の色に合わせる」と言ったりします。

塗膜主成分は、樹脂などが該当します。
溶媒は、塗料の分散液で蒸発したらなくなる成分のことで水またはシンナー(有機溶剤)
添加剤は、塗料の性能を向上させるもの 消泡剤、可塑剤、増粘剤、レベリング剤、PH調整剤、防腐剤、等
顔料は、発色や塗膜の増量効果を出すのものです

これらをうまく配合した塗料設計を行い、用途に適した塗料の開発が行われています。

2026.03.14

No.23 現在の塗料はどういうものですか

今回のコラムから、塗料の移り変わりについてお伝えしようと思います。

現在使用されている塗料は、人体や環境に対して優しい材料設計となっています。
戦後、国内では1950年代の高度成長期と相まって、合成樹脂塗料が大量に普及し始めました。合成樹脂の登場で塗料の性能が向上した反面、有機溶剤を大気中に排出するようにもなりました。1970年代に入ってから、高度なポリマー技術による。
 ※NADやエマルジョン塗料(水系塗料)が台頭。

1950年から合成樹脂の生産量が5年毎に倍増傾向で、塗料メーカーから各種合成樹脂塗料が開発上市され全盛期を迎えます。1990年には国内の塗料の年間生産量が220万トンに達しピークを迎えたようです。

それ以降は環境規制の影響や高度成長も落ち着き、生産量は緩やかに減少しているようです。そうした中溶剤系と言われる塗料が減少する一方で、水系塗料や粉体塗料は増加傾向になってきています。

 ※NAD:弱溶剤を溶媒に樹脂を粒子化し分散。水性塗料と溶剤塗料の長所を併せ持ち非水分散型塗料と呼ぶ。

2026.01.30

No.22 塗料の移り変わり

前回コラムまで複数回にわたって住宅塗り替え工事におけるケレン作業から塗装工程までについてお伝えしました。
いったん塗装についてはひと休みして、今回から塗料の移り変わりについてお伝えしたいと思います。
30数年前、筆者が新人の頃の塗装現場は周囲に強烈な臭気を発しているのが普通でした。
しかし今はどうでしょう。昔ほどの臭気を発している現場は少なくなったと思いませんか。
では何が変わったのでしょうか?

塗料の移り変わりを時代で追っていくと乾性油のボイル油(ペンキ)の定着から、合成樹脂の時代に入り、有機溶剤を溶媒とする塗料へと移り変わりました。20世紀後半になると、環境問題への関心の高まりもあって有機溶剤の削減が最重要課題となりました。
より環境負荷が少ない弱溶剤や水を溶媒とする塗料に変遷し、臭気も低減してきたということです。
次回は現在の塗料についてお伝えしようと思います。

2025.12.26

No.21 塗装方法について

塗装の工法は”塗る”作業を中心に確立しています。
塗料があっても塗るための道具がなければ塗装はできません。
一般的な建築外装における塗装道具は、刷毛・ローラー・スプレー機器のいずれかです。
特徴として、
「作業の簡単さ」や「ミスト飛散での汚れにくさ」では【刷毛>ローラー>スプレー】 
「作業スピード」や「仕上がり外観の良さ」では【スプレー>ローラー>刷毛】の順ではないでしょうか。一般向きが刷毛やローラー、プロ向きがスプレーといった感じです。

筆者が新人だった30年以上前は、住宅塗り替え現場の足場設置も現場によりまちまちでした。セメント系屋根瓦の塗替えにおいて、VPと言われる強溶剤系塗料を使用したスプレー塗装が主流でした。
理由として、強溶剤系塗料はスプレーミストになると瞬時にミストが乾いて粉となるため、周囲へのミスト飛散が抑えられて苦情が少なかったからと記憶してます。
養生も簡素化できて、作業性が早くミスト飛散のリスクも少ない。
まさに手ばなれが良い強溶剤系塗料が好まれたのではと思います。

一方、有機溶剤が大気中に拡散して、芳香族特有の臭気が周辺に漂っていました。
現在では環境問題やシックハウスが注目され、強溶剤系塗料が敬遠され水系塗料や弱溶剤系塗料が一般的になりました。またスプレー塗装専用の塗料もありますが限定的です。スプレー飛散対策や臭気拡散を防ぐため、スプレー塗装を施すときは、手塗りでの塗装と比べてより入念な周囲への対応が求められます。今日では漆喰系の塗料「手で塗る塗料」などが販売されているようです。
塗装方法も日々進化しています。塗装作業は汚れるものという概念を覆す塗装工法が期待されます。

2025.11.05

No.20 下地の種類によって塗装仕様が違うのはなぜ?

塗料を取り扱っている弊社の立場で、塗装する上での懸念事項は塗料の不具合によって、塗りづらいとか塗れない。塗装後の仕上がり外観が悪い。経年で塗膜に不具合(変褪色、剥がれ、膨れなど)が発生していると言われることではないかと思います。 

塗装工事において、被塗装面の素地種類(旧塗膜層、金属系、窯業系、木質系)と状況(錆や風化、表面の凹凸、吸い込みの有無)に応じた、下地処理工程と最適な塗装系を組み立てて、前述の懸念の低減に努めます。
被塗装面の素地と状況に対応するには、1コート仕上げではリスクが大きいため、2コート以上の複層塗装系になります。

塗装系とは、用途に適した塗料選定と積層的な手法で完成塗膜を形成させて、塗装の目的や要求事項を満たすことと考えます。

そういう意味では、3コート仕上げ(下塗り+中塗り+上塗り)が一般的ではないでしょうか。
下塗りは、対下地性能の役割が大きく、防錆・耐アルカリ・耐水の化学的機能に加え、下地との密着性能や吸い込み防止、平滑化などの表面改質機能も求められます。
中塗りは、下塗りと上塗り双方への密着と上塗り色の共色機能も兼ねます。
上塗りは、塗装系の外観を決定する美観機能はもちろんのこと、耐候性や耐久性が求められます。
これらすべての工程は、最適な塗膜層を形成するために行う様々な塗装仕様や塗装系が組み込まれることになります。

将来的にはこれらの課題を解決できる、単一材料の1コート仕上げ塗料が登場するかもしれません。

2025.09.03

No.19 塗装工程はなぜあるの?

前回まで下地処理工程についてお伝えしてきました、重要な下地処理が施されてようやく塗装工程に移ります。誰もが思うかもしれませんが、「1回塗り1コートで仕上がり完了」となったらいいですよね。材料代も1種類で済み、作業時間も短縮です。実際は野丁場の塗装工程において1回塗り1コート仕上げはあるかもしれませんが、少なくとも筆者は聞いたことありません。

なぜ、塗装工事で1コート仕上げを聞かないのでしょうか?
それは塗料は「美観・保護・特殊機能」を有し、塗装工事はそれらの機能を最大限発揮させる作業であるからです。DIYにおいて、躯体に色を着けたい場合は1コートで十分かもしれませんが、塗装業者が行う工事において、現場での下地面は様々な種類があります。
平滑な面や凹凸した面、吸い込みしやすい面や吸い込みにくい面、旧塗膜が残っている面やほとんど風化剥離している面など素材も金属系、窯業系、木質系と様々です。これらの下地面に対して、塗装後に「美観・保護・特殊機能」が発揮される仕上がりにするためには1コートでは不十分と言えます。

次回コラムでは下地の種類の違いによる塗装仕様についてお話します。

2025.08.07

No.18 住宅塗り替え時のケレン工程の課題や問題点

住宅の塗り替えにおけるケレン工程は水洗い作業で十分な場合が多いとお伝えしました。
その理由として、初めての塗り替えにおいては塗り替え前の被塗装面が変褪色や色あせ・チョーキングなど紫外線によって塗膜表面が劣化したケースが多く塗膜と躯体の密着性の問題(膨れや剥がれ)はほとんど見られず高圧水洗機による水洗いで大丈夫と言うことになります。

一方、被塗装面の塗膜がなんらかの影響で躯体素地と密着が弱く、塗膜の膨れや剥がれがあるケースではどうでしょうか。塗り替え前に被塗装面に膨れや剥がれが目視確認できるケースにおいては2種または3種ケレンを実施し脆弱な塗膜を除去します。

すこしやっかいなのは、高圧水洗後に塗膜の膨れや剥がれが誘発されるケースです。塗装前はケレン工程は水洗いのみでOKとしていても、水洗後に塗膜の膨れや剥がれが出てくる場合は、2種または3種ケレン作業で脆弱な密着面を除去する作業が必要になります。

塗膜を剥がす作業は大変で、手間と時間を要します。
被塗装面の状態確認を正確に行い作業に必要な時間や費用が確保されたら問題ないのですが被塗装面の状態を完全に把握するのが困難であるため、適正なケレンが行われないことがあるかもしれません。今では高圧ジェットケレンと言われる超高圧な水洗機にメディア粒子を入れた1種ケレンも登場し、住宅の塗り替え時に活用されています。

水洗と同時に塗膜の除去も可能な一石二鳥の工法ですが、専門業者による専用機械での工事となるため塗装作業に付随するケレン作業ではなく個別の作業として日数や費用が増えることもあります。

ケレンは水洗い、塗膜除去、高圧ジェットケレンとさまざまな工法があり手間と時間と費用はまちまちです。塗装工程での前準備であるケレン工程がサブ作業にとらわれがちなことと、時には手間と時間と費用がかかり見落とされたり、ショートカットされがちなことが課題と言えるかもしれません。

2025.07.02

No.17 住宅塗り替え時の実際のケレンはどのようなものでしょうか

一般的な工程は次のようになります

素地調整 (高圧水洗+ケレン作業)  ➡ 洗浄・清掃  ➡ 乾燥・養生  ➡ 塗装開始

塗装現場において、高圧水洗機で水洗いをしている光景を目にすることがあります。これは被塗装面を入念に洗浄している作業です。
高圧水洗は被塗装面に水圧をかけながら洗浄するため、表面の汚れ除去はもちろん被塗装面の密着が弱い塗膜の浮きや剥がれを取り除くことができます。
水洗いも同時に行えるため「高圧水洗 = ケレン」のイメージが強くなっています。

初回の塗り替え現場においては、ケレン作業は高圧水洗作業のみで十分なケースが大半です。作業工程を「水洗い」と表記することがあります。
高圧水洗後、表面状態が良好(活膜)であれば乾燥させた後は塗装作業に移ります。
このようにケレンが高圧水洗工程のみのケースは4種ケレンに該当し一般的な下地処理となります。

一方、塗り替え履歴がある現場においては、塗替え塗膜が素地面との密着不十分により塗膜内部の膨れや剥がれが起きている場合があります。
この場合は塗膜も厚くなっているので、高圧水洗だけでは塗膜の浮きや剥がれの除去が困難なケースがあり、追加のケレン作業が必要になることがあります。
サンダーのような電動機具を使用する場合は2種ケレン、皮スキ・スクレーパー・ケレン棒等の手作業器具を使用する場合は3種ケレンに該当します。

いずれの場合も入念に高圧水洗を行った後、表面状態をしっかり観察し、追加のケレン作業の必要性を判断します。
必要と判断すればさらに2種・3種ケレンを実施することになります。高圧水洗だけの場合はおおむね1日作業。高圧水洗に加え2種・3種ケレンの実施となると数日作業となる場合もあります。ケレンの程度が塗膜の耐久性に大きく影響を与えるためケレン作業は重要です。

次回はケレン工程の課題や問題点についてお話します。

2025.06.03

No.16 住宅塗り替え時のケレン作業とは?

前回コラムで、鉄鋼素地を例にケレンの種類をお伝えしました。
鉄鋼が酸化反応を起こし発錆するのは自然現象です。
鉄鋼はあらゆる設備の躯体として道路、橋梁、ビル、基礎、タンク等に使用されるため耐久性能を要求されます。発錆の進行は、意匠性や耐久性に大きな影響を及ぼし、それを放置したら重大な躯体欠陥や事故に繋がることになります。従って、鉄鋼の大型設備の塗装では、機械を用いた 1種ケレン(ブラスト処理工法)でケレン作業を行う場合があります。

一方、住宅塗り替え時のケレン作業はどうでしょうか。
前述の鉄鋼素地のように躯体の耐久性を維持するためのケレン作業とは少し違うのではないかと考えます。住宅塗り替え時のケレン作業の目的は住宅部材(外壁、屋根他)の旧塗膜や表面素地に塗装した塗膜が密着すること。そして塗装した塗膜が躯体に十分密着して長持ちするための作業となります。

塗膜を長持ちさせるための作業と考えると、機械を使う大規模な 1種ケレン(ブラスト処理)はほとんどありません。旧塗膜層が躯体と密着した面(活膜)は残して、浮いたり剥がれたりしている面(死膜)を除去する作業となります。2種ケレン~4種ケレンのいずれかの方法になります。

次回コラムは住宅塗り替え時の 実際 のケレンについてお話します。

2025.05.09

No.15 どのようなケレン作業があるの?

塗装工事においてケレン作業の重要性について述べてきました。
素地調整であるケレン作業が塗膜の品質に重要な役割を担っているということがご理解いただけたのではないかと思います。それでは本題です。どのようなケレン作業があるのでしょうか。

ネット上にはたくさんのケレン情報がありますので控えめにお話しします。ケレンは4種類に分けられます。1種~3種までが素地表面への研削アクション、4種は表面の目粗し清掃作業というような感じです。

素地の種類は多数ありますが、鉄鋼へのケレンが一番解りやすいため鉄鋼素地を参考にお話しします。鉄鋼素地はその製造過程で黒皮(ミルスケール)が強固に付着し腐食防止機能も有していますが、時間がたつにつれ風化発錆、素地劣化、ひいては躯体の耐久性に悪影響をおよぼします。自然現象である鉄鋼の発錆劣化した状況に対し耐久性向上のための塗装の前準備、つまり素地調整(ケレン)の種類を示します。

(鋼板素地のケレン)
1種ケレン:ブラスト法を用いて黒皮(ミルスケール)錆を完全除去、金属地肌が完全に露出する
2種ケレン:ディスクサンダー等の動力工具を用い密着したミルスケールは残すが錆や汚れは完全に除去する
3種ケレン:ワイヤーブラシ、スクレーパー等の手動工具を使用し浮いたミルスケールや浮いた錆を手作業で除去する
4種ケレン:ペーパー等で軽く目荒らしする清掃ケレン

1種ケレン工法をそのまま住宅の塗り替え工事で実施することは設備的・環境的にありません。
次のコラムでは住宅の塗り替え時のケレンについてお話します。

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