塗装コラム

2025.05.09

No.15 どのようなケレン作業があるの?

塗装工事においてケレン作業の重要性について述べてきました。
素地調整であるケレン作業が塗膜の品質に重要な役割を担っているということがご理解いただけたのではないかと思います。
それでは本題です。どのようなケレン作業があるのでしょうか。

ネット上にはたくさんのケレン情報がありますので控えめにお話しします。
ケレンは4種類に分けられます。
1種~3種までが素地表面への研削アクション、4種は表面の目粗し清掃作業というような感じです。

素地の種類は多数ありますが、鉄鋼へのケレンが一番解りやすいため鉄鋼素地を参考にお話しします。
鉄鋼素地はその製造過程で黒皮(ミルスケール)が強固に付着し腐食防止機能も有していますが、時間がたつにつれ風化発錆、素地劣化、ひいては躯体の耐久性に悪影響をおよぼします。
自然現象である鉄鋼の発錆劣化した状況に対し耐久性向上のための塗装の前準備、つまり素地調整(ケレン)の種類を示します。

(鋼板素地のケレン)
1種ケレン:ブラスト法を用いて黒皮(ミルスケール)錆を完全除去、金属地肌が完全に露出する
2種ケレン:ディスクサンダー等の動力工具を用い密着したミルスケールは残すが錆や汚れは完全に除去する
3種ケレン:ワイヤーブラシ、スクレーパー等の手動工具を使用し浮いたミルスケールや浮いた錆を手作業で除去する
4種ケレン:ペーパー等で軽く目荒らしする清掃ケレン

1種ケレン工法をそのまま住宅の塗り替え工事で実施することは設備的・環境的にありません。
次のコラムでは住宅の塗り替え時のケレンについてお話します。