塗装コラム

2025.06.03

No.16 住宅塗り替え時のケレン作業とは?

前回コラムで、鉄鋼素地を例にケレンの種類をお伝えしました。
鉄鋼が酸化反応を起こし発錆するのは自然現象です。
鉄鋼はあらゆる設備の躯体として道路、橋梁、ビル、基礎、タンク等に使用されるため耐久性能を要求されます。発錆の進行は、意匠性や耐久性に大きな影響を及ぼし、それを放置したら重大な躯体欠陥や事故に繋がることになります。従って、鉄鋼の大型設備の塗装では、機械を用いた 1種ケレン(ブラスト処理工法)でケレン作業を行う場合があります。

一方、住宅塗り替え時のケレン作業はどうでしょうか。
前述の鉄鋼素地のように躯体の耐久性を維持するためのケレン作業とは少し違うのではないかと考えます。住宅塗り替え時のケレン作業の目的は住宅部材(外壁、屋根他)の旧塗膜や表面素地に塗装した塗膜が密着すること。そして塗装した塗膜が躯体に十分密着して長持ちするための作業となります。

塗膜を長持ちさせるための作業と考えると、機械を使う大規模な 1種ケレン(ブラスト処理)はほとんどありません。旧塗膜層が躯体と密着した面(活膜)は残して、浮いたり剥がれたりしている面(死膜)を除去する作業となります。2種ケレン~4種ケレンのいずれかの方法になります。

次回コラムは住宅塗り替え時の 実際 のケレンについてお話します。