塗装コラム

2025.09.03

No.19 塗装工程はなぜあるの?

前回まで下地処理工程についてお伝えしてきました、重要な下地処理が施されてようやく塗装工程に移ります。誰もが思うかもしれませんが、「1回塗り1コートで仕上がり完了」となったらいいですよね。材料代も1種類で済み、作業時間も短縮です。実際は野丁場の塗装工程において1回塗り1コート仕上げはあるかもしれませんが、少なくとも筆者は聞いたことありません。

なぜ、塗装工事で1コート仕上げを聞かないのでしょうか?
それは塗料は「美観・保護・特殊機能」を有し、塗装工事はそれらの機能を最大限発揮させる作業であるからです。DIYにおいて、躯体に色を着けたい場合は1コートで十分かもしれませんが、塗装業者が行う工事において、現場での下地面は様々な種類があります。
平滑な面や凹凸した面、吸い込みしやすい面や吸い込みにくい面、旧塗膜が残っている面やほとんど風化剥離している面など素材も金属系、窯業系、木質系と様々です。これらの下地面に対して、塗装後に「美観・保護・特殊機能」が発揮される仕上がりにするためには1コートでは不十分と言えます。

次回コラムでは下地の種類の違いによる塗装仕様についてお話します。